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<<   作成日時 : 2008/04/24 22:57   >>

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「1997年 世界を変えた金融危機」(竹森俊平)
日本の不良債権の増加は、金融機関が経営体力のある時に「引当金」を積んで損失処理をしなかった為に悪化したという説明が分りやすかった
東アジアの金融危機は、長期的な投資のための資金を短期的な債務によって、しかもドル建てで、調達するという「流動性の危機」が原因であった。IMFが危機に陥っている国に迅速のドルを供給すれば良かったのにしなかった。IMFは収入が少ないのに支出が多いという「返済能力の危機」であると考え、支出抑制プログラム(高金利政策と緊縮財政)を要求した。高金利は海外からの投資の引き揚げを止める効果があったが、緊縮財政は何の意味もない。さらにIMFは危機に陥った国の金融機関の不透明性を改革するという「構造制度改革」を融資条件とした為に、IMFから援助資金は不足していた(IMFを動かしているアメリカ財務省の人達は、制度改革で市場の信頼が戻り海外からの投資の引き揚げが止まると考えていたが、全くそんなデータ的根拠はなかった)

質への逃避「リスクの高い資産を棄てて、安全性の高い資産にもちかえる」アジア通貨危機の場合アジアへの投資からほとんど現金と同じ位現金化が容易なアメリカ国債などへ資金が移っていった。

東アジア通貨危機は一過性の「流動性の危機」であり、東アジア経済のファンダメンタルズには問題が無かった。この事はインドネシアを除くアジア通貨危機の4カ国が99年にはV字型の経済改革をしていることで分る(故にIMFの「構造制度改革」は本当に必要だったかは疑問である)

不良債権を抱かえていた日本の金融機関は、日本国内は低利子なので金利収入が稼げないので東アジアに積極的に投資していた。しかしタイの通貨危機で、日本の金融機関は日本国内だけでなくさらにアジアの不良債権まで増えるのを避けようとして、東アジアへの融資をすばやく引き揚げた事も東アジア危機の連鎖の一因である

ナイトの不確実性「結果についての確率分布が未知である」
リスク「結果についての不確実性が既知である事によって限定されている」

「不確実性」を前にした人間は過剰に「楽観的」にも「悲観的」にもなる。新たな事業を起こそうとする企業家などは「楽観的」な傾向があり、ナイトはそんな企業家たちの社会的役割に注目したが、現在は「不確実性」を前にした場合は「最悪のシナリオ」を想定して悲観手に行動する傾向にあるというエルズバーグという人の話の方が一般的に
なっている。

通貨危機という不確実性により、金融機関は現金の引出殺到という最悪のシナリオを想定し、現金を手元に置こうとする。その個々の銀行の行動が、市場全体の現金不足を招き、最悪のシナリオが実現する。このような市場の現金不足が発生した場合、中央銀行の「現金供給」の役割が重要になってくる。
現金を手元に置く事は、投資を減少し、貯蓄を増加させ、総需要不足・不況圧力を生む。

バブル期→企業の国内投資意欲盛ん。家計の貯蓄がその投資需要を満たす
現在→企業の国内投資減少で企業の貯蓄増加。そのおカネで海外へ資本輸出。家計貯蓄は高齢化で減少。

現在は下手に事業を拡張して収益悪化の危険を冒すよりも、スリム状態で高収入を維持しようという企業の傾向がある(企業貯蓄は増加する)

アメリカのITバブル崩壊による景気後退に対する金融緩和政策は住宅バブルを発生させた(企業の投資意欲は金融緩和しても低かったが、アジア通貨危機やITバブル崩壊の痛手をうけてない家計の消費・住宅投資は高くなった)。住宅は多くの国民に影響を与えるので、住宅バブルが崩壊したら(現在サブプライムローン問題で崩壊し
かけている)長期で深刻な不況になる可能性が高い

アメリカの経常収支赤字拡大を解消するには、アメリカ「総需要」削減とドル安が必要になる。総需要減少でアメリカ産商品需要も減少。アメリカ産商品が売れ残り、この売れ残りを解消するにはドル安によるアメリカ商品価格の値下げが必要だから「ドル安」が必要になってくる。

2001年のアメリカの金融緩和政策の時に、日本・中国・東アジア諸国が為替介入したり、日本が低金利だった為に、ドル暴落にはならなかった。
東アジアがドルを買い支えたのは通貨危機で反省して外貨(ドル)準備をしていたから。
また日本・中国はアメリカへの輸出主導で景気回復・経済成長を目指したので、ドル高にしようとしていた。

IMFは出資国の民主主義的プロセスを経ないと援助資金を投入できない。外国や市場関係者救済の為に血税を使うのは国民の支持がえられないので、IMFが「最後の貸手」の役割を果たすことはできないようになっている
故にIMFという外部からの援助資金投入ではなく、当事者(貸し出している日米欧の金融機関と借りている東アジア国の政府)の間で債務条件の変更の再交渉をするなどで対応した方がよい

サブプライムローンを他の金融資産と組み合わせた債権があり、サブプライムローンが少しでも入っている債権を投資家が忌避しだすと、危機はとめどなく発展する

経常収支赤字拡大が即座に通貨の信用崩壊につながるわけではない。現在のアメリカの経常赤字は「不確実」なレベルにあるけれども、皆悲観している訳ではなく、問題が発生するまでは危険を無視して現状に安住するという状態にとどまっているので、通貨信用の崩壊は起こっていない。
もしアメリカでインフレが起こっていたり、日本中国などの為替介入によるドル安防止傾向がなくなったりするという問題がひとたび発生すれば通貨信用の崩壊(ドルの暴落)の危機は充分にある

「物価安定」「インフレ率が安定」していれば、金融政策を機動的に活用し、バブル崩壊後の景気急降下に歯止めをかける事ができる

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