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<<   作成日時 : 2010/02/02 15:46   >>

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「日本銀行は信用できるか」(著:岩田規久男)
ゼロ金利解除の失敗。水俣病・薬害エイズ事件・年金記録改竄事件など「決定が間違っていた事を認め、修正して批判を浴びる事を恐れた」官僚組織が「問題を先送り」し、取り返しのつかない被害をどんどん拡大してしまった事件は枚挙に暇が無い。
学識経験の軽視「@日銀の学歴は大学卒の学士が主流だが、FOMC(米国の金融政策を決定する連邦公開市場委員会)は大学院での博士号取得者が主流・最低でも修士号。
A日銀は一つの会社・組織に属して仕事をしてきた人が主流。FOMCは複数の金融関係のビジネスや政府の政策に関する調査・立案の委員などを経験し、経済・金融及びそれらに関連する法律や規制などに関し豊富な学識経験を持つ人が主流」
財界人や政治家は「大学で全く勉強しなかった」事を恥じるのではなく、「大学で勉強しなかったがこんなに偉くなった」と自慢するという話は呆れた。国民生活に関わるような仕事をしている政治家・中央銀行員・中央銀行の政策委員会委員・中央や地方の幹部官僚・さらに世論をリードする大新聞や主要雑誌の経済担当記者などはそれでは
困る。これらの人々は最低限経済学の基礎知識を持ち、必要に応じて大学院で最先端の知識を蓄積する機会を持って欲しい。
マスメディアも学識経験や正統派の経済学(新古典派経済学とニューケインジアン・エコノミックス)を軽視する特徴がある。
都市計画の例。土地という希少な資源をどう利用するか経済生活に大きく影響する。経済学とは「土地のような希少な資源をどういうモノやサービスの生産の為に使えば国民の福祉が最大になるか」を研究する社会科学。経済学抜きの都市計画はあり得ない。しかし現実は経済学抜きで行われる。東京圏の通勤難や慢性的な交通渋滞、所得
に対し高すぎる住宅価格や良質な賃貸住宅の不足などは、正統派経済学の知見を無視した都市計画と土地利用規制を続けてきた「ツケ」である。
年金も経済学的に見ると1940年生まれは生涯4850万円も得しているのに、1985年生まれは2250万円も損をしている。政治家と厚生労働省の官僚は年金財政の本質的対処を避け、無意味な改革か問題先送りをしているだけなのに、現在の年金は「100年安心年金」と言って国民をだましている。誰がどう年金保険料を負担し、どれだけの年金を受け取るをどのように決めれば、世代間の受益と負担は公平になり、年金制度が持続可能になるかは、経済学の知見と経済学が開発した将来予測方法を用いなければできない。しかし現実は正統派経済学は排除されている。
FRBの「信用緩和」。@CPや資産担保CPの買入A学生ローン・自動車ローン・クレディットカードローン・中小企業庁によって保障されたローンなどを担保とするトリプルAの資産担保証券を担保とするFRBの貸出B政府支援機関の長期債と政府支援機関発行の住宅ローン担保証券及び長期国債の買入。中央銀行が銀行からどんな証券を買うかあるいはどんな証券を担保に銀行に貸すかを重視する。CPを買い入れる事については、FRBがいつでもCPを買うと約束してくれれば、銀行はCPを購入しても良いと考え、銀行のCP購入が増加する。銀行のCP購入が増加すれば銀行以外の投資家も安心してCPに投資する。企業もCPによる資金調達が容易になり資金繰り難からの債務不履行リスクは軽減する。そうすればCP市場は安定し、企業はCPで資金調達した貨幣で、在庫投資や設備投資を開始し、生産を拡大するようになるから景気は回復に向かう。という効果がある。
信用収縮「今回のような経済危機に直面すると、民間の経済主体の信用リスク(倒産・紙くずになる恐れ)や市場リスク(価格の下落)を負担する能力は著しく低下し、長期国債・住宅ローン担保証券・CP・社債などの買い手がなくなる。銀行も信用リスクに過敏になり貸出を信用リスクの小さな借り手に限定するようになる」。FRBの信用緩和はFRBが信用リスク・市場リスクをとり、信用収縮を改善させる効果がある。
市場リスク・信用リスクをとると日銀の財務健全性が悪化し、金融政策や日銀券への信認が失われるという反論があるが、10%台の高インフレが起こるのは日銀の財務健全性の悪化ではなく、モノの供給量に対し日銀券などの貨幣の流通量が過大になる為に起こるので、財務健全性が悪化しても貨幣への信認は失われない。もしそれでも財務健全性が気になるなら、日銀の長期国債や民間の証券の買入増加に対し政府保証をつけるという政策をすればよい。
中央銀行の独立性「@目標設定の独立性A政策手段選択の独立性」日銀は@A両方の独立性が保障されているが、インフレターゲット採用国は、目標は政府が設定する。
インフレターゲット採用国の運営方法
@インフレ率を引き下げると短期的には失業率が上昇し、生産量は減少するというインフレ率と失業率・生産量とのトレードオフを認めている。石油価格高騰などのコストプッシュ(需要の増加でなく生産費用の増加による価格高騰)型のインフレに対しては、失業率・生産量との兼ね合いから直ちに金融引締め政策を採用しない。又短期ではインフレ率をコントロールできないので、インフレ率は短期的なものでなく中期的(1年半から2年)な目標である。
Aインフレ目標は1%〜3%が多い。明確な数値で示される。ゼロ以下はデフレになるので絶対に回避すべきと考えられている
B資産価格が上昇してバブルの疑いがあっても、中央銀行が、資産価格の上昇が中期的にインフレの目標を超える水準までインフレを高めるリスクが小さい場合は、資産価格の下落の為の金融引締め政策はとらない。
Cインフレ目標は金融政策の枠組みで、何が何でもインフレ目標を達成するという硬直的なルールではない
D中央銀行は記者会見やホームページにレポートを掲載などにより市場との対話を深めるとともに、半年又は1年に1回程度事業報告を国会に提出して、金融政策の透明性と説明責任を果たす。
E中期的にインフレ目標達成に失敗した時は、中央銀行は説明責任を負う。その場合政府に中央銀行総裁の罷免権を与えている国もある。
イギリス(インフレターゲット採用国)では、中長期的にエネルギー価格が下がるとエネルギーを含まない物価が上がる。これは、インフレ目標採用で人々のインフレ予想が安定する為、人々の名目所得(貨幣で受け取る所得で、物価で調整した実質所得と対比される)も安定的に増加するようになるからである。この安定して増加する名目所得の下でエネルギー価格が下がると、他のモノやサービスの消費の為に残される所得は増加する。その為エネルギー以外のモノの消費が増えて、その結果それらの価格は上昇する。故に全体としては2%程度のインフレで安定する。
インフレ目標政策で一番重要なのは「中期的に達成すべきインフレ目標を事前に設定し、その目標を達成できなかった時には説明責任を負う」事で、「インフレ目標の事前的設定」と「説明責任」いずれが欠けても意味がない。
今までの要約
@日銀を支配している人達は明らかに学識経験や正統派の経済学(新古典派経済学とニューケインジアン・エコノミックス)の知識がない。あっても日銀流理論の金融政策を支持するために正統派金融理論を応用しがち
A日銀が目指す物価安定はゼロインフレで、諸外国に比べ低すぎるインフレあるいはデフレをもたらし、日本経済の長期停滞と外需頼みの経済を生んでいる
B日銀は目標設定も政策手段の選択も独立性が与えられており、裁量性がとても大きい。日銀が判断を誤ると経済への影響は計り知れないのに、その判断をチェックする構造がない。また判断の誤りに対する責任をとる構造もない。故に日銀法の改正を含めた日銀改革が必要である
ニュージーランドの説明責任の取り方
政府がインフレ目標を設定し、そのインフレ目標達成の手段の選択は政府から独立して準備銀行が決定する。
透明性と説明責任
@総裁の個人的説明責任
財務大臣か準備銀行理事会(第三者機関)のいずれかがインフレ目標達成の上で総裁の成果が不適当と判断した場合は罷免される。罷免される可能性もあるので国民は総裁が物価安定に最大限努力するだろうと信頼する。国民に信頼されない金融政策は失敗すると考えられている。
A政府と人々への定期報告
6ヶ月毎準備銀行は金融政策報告書を公表。
B準備銀行理事会による評価
準備銀行理事会が準備銀行と総裁の成果を常に監視・評価する役割を担う。財務大臣によって選ばれ、報告書や活動が適切かを判断し、総裁に説明責任を求めたり、助言したりする。
イングランド銀行の説明責任の取り方
透明性「議事録の公開・議会での説明・四半期ごとのインフレーション報告書の発表など」
理事会による監視・評価。総裁・副総裁の給与は理事会が決定する
2%に目標が設定されていて、1%未満・3%以上の場合なぜそうなったかと今後どう改善するかの説明をする文書を財務大臣に送る(ただし毎月インフレ目標を達成する必要はなく、不適切な経済変動を引き起こさないように中期的に達成すればよいとされている)

全般的に
日銀を運営する人はもう少し学識経験や正統派の経済学(新古典派経済学とニューケインジアン・エコノミックス)の知識のある人がいいと思った。
独立性に関しては、目標は政府が設定し、政策手段選択は日銀が決定できる方が良いと思った。
もし日銀が目標を決めるのであれば明確な目標を設定すべきだと思った(2〜3%程度のインフレあたりが良いのではないかとボクは思った)。そしてその目標が達成できなければ説明責任を負う組織構造を作る方が良いと思った。
イングランドやニュージーランドのように理事会という第三者機関が日銀を監視評価できるシステムがある方が良いと思った。
現在のデフレに対処する為には、FRBのように日銀が積極的に「信用緩和」を行う事が重要だと思った。長期国債の買入やCPの買入など信用リスク・市場リスクを日銀が積極的にとって、民間の信用収縮を改善し景気を回復させてほしいと思った。
2010年現在の日銀の金融政策ではますますデフレ不況は厳しくなるだろうと思った。本当にナントカしてほしい。
「ロスジェネ世代のボク達は憤りを感じている。日銀の金融政策で景気が回復するのならもっと日銀にはガンバってほしい」心にそう願うしがない契約社員の長七郎であった。

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