ママデューク

アクセスカウンタ

zoom RSS 読書感想文49 「危機突破の経済学」(著:ポール・クルーグマン)

<<   作成日時 : 2011/08/05 19:14   >>

ガッツ(がんばれ!) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

画像



「危機突破の経済学」(著:ポール・クルーグマン)
日本のインフレ率はアメリカが勧めた2%という目標より低い(本当なら4%くらいにするべきとクルーグマンは提言していた)。
失業保険を拡充して失業者の悲惨さを防ぐ。セーフティネットの強化をクルーグマンは提言していた。
財政政策拡大(公共事業支出増加)の時経済拡大と一定の効果はあった。逆に増税は経済縮小。しかし財政政策の拡大は延命措置で、日本の内需を回復させるような本格的な回復策にはならなかった。
効果的な政策「必要なインフラ整備への財政出動」(例:日本なら都内を通らないで抜けられる道路の整備で、流通業支援・都内道路の渋滞緩和等)。
現在の世界経済危機の原因(金融工学の悪用。だけでなく、欧州は欧州銀行の貸出乱発がある。「全部が全部アメリカ発ではない」。)
ハイパーインフレ「財政赤字の時にお金を印刷しなければならない状態になるといつも生じる(今現在の日本の状況とは非常に異なるという注意書あり)」
行き過ぎた金融工学の悪用を防ぐ為に金融規制強化する事必要。
アメリカの従来の銀行は政府の救済策で保護されたが、ヘッジファンドや投資銀行などノンバンクが破綻し証券化は落ち込んだ。(証券化(特にサブプライムローン)は貧乏人にも家を借りる金が回るようになったメリットがある一方。複雑な証券化のシステムで無責任な貸付などモラルハザードを起こすというデメリットが出た。そして今回はデメリットの方がムチャクチャデカかった。又ノンバンクを破綻するに任せたのが米経済危機の深刻化の一因だとボクは思った)。
ノンバンクの方が従来の銀行より規模もでかくなり、規制もなければ、保証もない、極端にモロイ存在だった。
日銀は金融緩和・量的緩和・CP等の非伝統的な資産購入の拡大をすべき(これは現実路線で、本当は4%の高いインフレターゲットの設定・実現をすべきと提言していた)
日本がやった政策の評価
定額給付金「額が少ないし、貯め込むと効果はさらに小さくなる」
減税「景気刺激には効果ゼロ」
日本と中国の貯蓄超過分が、アメリカ・新興市場・新興欧州諸国に注がれるシステムが機能不全を起こしているのが現在の世界経済危機の原因。
ドルとユーロの基軸通貨の可能性(ラテンアメリカの違法活動には100ドル札・ロシアの違法活動には100ユーロ札が使われている事で説明していたのがオモシロかった。
ただし基軸通貨になる経済的メリットはほとんどない事も説明していた)。
中国は高度成長していながら資本輸入国という変わった国だと説明していた。
財政政策拡大による内需拡大による円高なら仕方ないが、金融引き締めスタンスによる円高は絶対ダメ!!と提言していた。
現在のアメリカに対する提言
状況次第で現在の実質2%のインフレターゲットを上げる。
財政政策拡充による景気刺激も不十分(又必要なインフラ整備など効果的な財政政策が重要な事は言うまでもない)。
グリーン・スパンはアメリカ経済が強い時にバブルを助長した事(金融規制緩和や金持ちへの大幅減税など)に罪があると説明していた(リーマン・ブラザーズを破綻させたのもグリーン・スパンのミスと指摘していた。景気が厳しい時に清算主義をとってさらに経済を厳しくしたから。)
景気対策の規模も重要だが、スピードはもっと重要だと説明していたのが良かった(東日本大震災復興政策をしているバカ官僚・バカ政治家・集めた義援金を迅速に届けられない団体等に肝に銘じて欲しい)。
97%以上が保険に加入しているマサチューセッツ州をモデルに、全米の保険制度を構築すべきと提言しているのが良かった。
富裕層への重税措置を提案していたのも良かった。
アメリカの自己破産増大は、クレジットカードでの買いすぎではなく、多くはいい学校がある地域に家を買う為に支払い能力を超えて借りるのが原因と説明していたのが良かった。
過度な給与は制限して、一般の労働者の所得を押し上げる運動をやるべきという提言が良かった。そうすればアメリカの貯蓄率も次第に上がると説明していた。
自動車産業からヘルスケア産業へのシフトの予測が良かった。
化石燃料のコストが上がり、省エネなどの地球温暖化対策に取り組むことが景気刺激策になると主張するのが良かった。
日本が中国と友好関係を結び、日本は中国に精巧な部品や技術を輸出し、日本も中国の内需拡大による輸出増加で経済回復して豊かになるのが良いと僕は思った。
世界経済最悪のシナリオ「世界各国が皆壊滅的な不況に直面しながら、税金をあげて政府支出を削減し、大恐慌になる」
世界経済最善のシナリオ「新しいテクノロジーを利用した投資ブームが全世界に大規模に起こる」(鉄道開発に投資され、その投資が長く続くと庶民が豊かになり人口も増加し、そして新しい投資機会が増え、経済が回復していった歴史的な例で説明していたのが分かりやすかった)。
株価よりも長期国債の金利に注目すべきと説明していたのが良かった(情報を持った投資家達が景気回復を期待すると金利が上がるからと説明していた。もちろん「他の要因もある」という注意書も書かれている)。
もしクルーグマン自身が日銀の総裁だったら、日本は財政赤字が大きい為大型の財政拡張は難しいが、大規模な非伝統的金融政策を取る(住宅ローンやCPを買ったりする「信用緩和」・プライベートの市場での貸付を緩和して経済をどんどん動かす(個人の貸付「エンジェル投資」みたいなのの促進かな?)・4%のインフレターゲットなど)
と説明していたのが良かった。
経済的良き道徳「もっとも弱い人を助けるのは需要を維持する為にいい事です。裕福な人に優遇税制措置をしても経済効果はない。今やるべきことは失業手当拡充でできるだけ弱い人を助け、個人的危機を乗り越えさせる事」と定義していた事に感動した。

ページ数も少ない本で、一言・一句不要な言葉が無い。まさにセンスの良い天才が書いた本だと感動した。時間がない人は最初の「序にかえて」と「結びにかえて」だけ読んでも充分だと思う。今まで読んできた経済学の本で一番腑に落ちたし、一番読みやすかったし、一番感動した本。
「クルーグマンさすがにスゴイ!!でも金融財政政策スタッフには加わっていない。世の中ってフ・シ・ギ?」心にそう願う天才でも秀才でもなく一庶民の長七郎であった。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
読書感想文49 「危機突破の経済学」(著:ポール・クルーグマン) ママデューク/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる