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zoom RSS 読書感想文52

<<   作成日時 : 2011/09/02 23:35   >>

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「日本経済復活まで」(著:竹森俊平)
電力供給不足のない関西(関東に送電もできない)は、自粛せず楽しくやるべきという話が良かった。
東北の部品工場が被災しただけで生産全体が全世界でストップするという話が凄かった。被災の対策としては、ジャストインタイムや余剰在庫をもたないという今の生産システムをやめるのではなく、震災からの生産能力の迅速な復旧を強化すべきというのが良かった。
政府や一部大企業が震災対応でもたつく中、生産現場は他の現場などと協働しながら迅速に復旧を進めたという話が良かった。
日本の組織は、目標が定まらず互いに見合って責任が曖昧になる場合は弱いが、復興という目標が定まれば互いの配慮と幅広い分業が協働効果をもたらし強い。
電力「需要」を東から西へ移動させる(オフィス・工場の関西移転など)という提言が良かった。
家電製品は60でも50ヘルツでも使えるので、関西から60ヘルツのまま電気を送り、東日本の家庭消費電力を賄うという提言が面白かった。
原発と世界金融危機は、利潤の追求が裏目に出た(利潤追求による創意工夫の発展は原則肯定)点と安全基準が不適切な点(安全を審査する審判がプレイヤー(東電や金融機関)からお金をもらって結託し、プレイヤーに都合の良い安全のお墨付きを与えるインセンティブがある)で共通していたという話が良かった。
阪神淡路大震災では、長い不況の為遊休資本・過剰資本となっていた資本・設備が地震で資本・設備が壊滅した阪神淡路で活用されたり、新規に資本・設備投資が行われた為、1・4%の経済成長を達成したという話が面白かった。
円高トレンドは、企業が震災による混乱で日本でお金が借りられなくなるのを恐れ、外貨を売って円に換えて手元に保持する為と企業政府が投資を増大し、資金を借りたくても資金供給者がおらず資金供給が逼迫するので円建の投資は金利が上がり有利と予測する為に起こる。資金需要が旺盛なこの時に日銀が一層の金融緩和により、デフレを脱却し、金融緩和で金利上昇も未然に防げば円高も防止できて、日本の復興は確実なものになる。
電力不足により、供給不足によるインフレ傾向「物がなくて物価が上がる」になる危険が出てくるという話が面白かった。
天災は、国家の惹起した災害ではないので、憲法の最低限生活保障と改正被災者生活支援法の最大300万円補償(予算的に限度があり、計算可能性がある)。人災(原発事故)は、東電・国が惹起した災害であり、きちんと被害を東電・国が賠償しなければならない(被害額は青天井で予算がいくら必要になるか計算できない)。という話が良かった。
原発事故で、日本は原発から石油を輸入した火力発電に変わらざるを得ない。しかし石油は、中東の民主化(王族が支配していれば、石油の高値で王族が持っている先進国の企業の株が下がってしまう「石油のコスト増大で先進国企業は利益が出しにくくなるから」のを避ける為に石油の値段を一定以上吊り上げないという取り決めを守るが、民主化すれば民衆に支持された政府は石油の値を吊り上げてその利益を国民に分配しようとするので石油の値は高くなりがち。又サウジアラビアでは民主化を宥める為にバラマキ福祉を実施しており、それがエスカレートしていくと、民主化させない為のバラマキ福祉を実現する為に石油価格を上げ石油収入を増大する(それをバラマキ福祉の財源にする)ので結果的に石油の値段は上がる)・原発・核アレルギーによる石油需要の増大、で高騰する可能性が高い。高い石油を外貨で買えるほど輸出が絶好調でバンバン外貨を稼いで又石油を買うという好循環になればいいけれど、輸出がダメな場合は、石油の輸入量による制限で供給能力も制限され、生産減少・電力不足による計画停電の実施などの不便な生活の強制など暗い未来になりかねないという予測も面白かった。
全般的に
震災により、供給能力が被害を受けた為に過剰資本・設備が解消され、供給が減り新たに投資しなければならない分需要不足も解消され、デフレ不況から逃れられるチャンスになるという考え方はデフレ不況の現在の日本においてとても新鮮でとても希望が持てる考え方だとボクは思った。
エネルギーシフトを上手くやらないと、高騰する石油を輸入できなくなり、供給が制限されて生産が減少し、「物が無いので値段が上がる」インフレ傾向にもなりかねないというのも新鮮だった。
輸出を強くして外貨を獲得して、高騰する石油を買って、又石油で生産して豊かになっていくという高度経済成長期のような好循環を筆者は期待しているみたいだが、ボクは輸出に過度に依存しない内需の拡大もしっかりやらなければいけないのではないかと思った(輸出が好調なら経済も好調になり所得や消費も増えていくだろうけれど、輸出ではなく国内の需要喚起をした方がより日本国内は直接的に「豊かになる」気が素人のボクはするから)。
財政金融政策でデフレを克服し需要を創出しようというリフレ派の本ばかり読んでいたので、ちょっと変わった日本経済の予測(震災による供給減少・新規投資の増大で需給ギャップは解消していく傾向)を知ることができてとても刺激になり、面白かった本。
「ベーシックインカムや給付付き税額控除制度とかはやく導入されて欲しい。」心にそう願うワープア長七郎であった。

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