千と千尋の神隠し

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「千と千尋の神隠し」(監督:宮崎駿 125分)
話の内容は、ライフワークバランスを上手くとろう。でもプライベートの方が大切で、自然にプライベートでも勤勉・礼儀正しさといったビジネスのマナーが出るのがベストという話。
金を払えば何をしてもいいと思ってる奴は豚野郎というのが良かった。
「お客様は神様」なのが良かった。様々な八百万の神がゴテゴテした湯婆婆の湯屋にやって来るのは絵的に面白かった。
湯屋(スタジオジブリ)で「働く男はカエルで女は人間」という所に、「女の方がまだマシで仕事もできる」という監督の女性尊重の考えが垣間見られた感じがボク的にはした。
湯屋の一番大事なボイラーを担っている釜爺は、6本の腕で全て違う作業をするやり手というのが良かった。
釜爺に「手出すなら終いまでやれ」と言われて、初めて千尋が石炭をボイラーに入れる仕事をするのが良かった(その後他のすす達も千尋に仕事をやってもらおうと思って自分の仕事をほっぽり出すのもコミカルだった)。
釜爺の所に来た女中りんに「挨拶をきちんとしろ」と千尋が言われるのが良かった。
「ドアを開ける時はノックをきちんとしろ」と湯婆婆に言われるのが良かった。
仕事が出来る湯婆婆には何も出来ないデッカイ赤ちゃんのような子供(宮崎吾朗の事か?)がいるというのがコミカルだった。
働く時には家庭での扱いとは違うという象徴として、本名荻野千尋という名前をとられて千と呼ばれる(一般社会でも仕事上では会社の肩書きや課長などの役職で呼ばれるのと一緒)のが良かった。
仕事の出来るハクは、仕事の時は千を部下として扱い、プライベートではきちんと主人公の女の子を千尋として優しく扱うのが良かった(そこを分からない初めの頃の千尋はハクにだまされたと泣くのも良かった)。
ハクは仕事が出来すぎるので、最初の頃プライベートの本当の自分を見失っているという設定が良かった。
カオナシはネット上の匿名性のファンの困ったチャンの象徴・あるいはファンとかスポンサーで宮崎駿を金を出したりチヤホヤしてくれたりしてはくれるけど本当の「お客様は神様」の神様ではないと宮崎駿が思っている人達の象徴ではないかとボク的には思った(そういう人達は最初とても醜く描かれていて、最後はもっと宮崎駿よりも器のでかい銭婆(別の作家)の所のファンになって欲しいという宮崎駿からのメッセージではないかとボク的には思った)
さすがは湯婆婆。本当の神様のお客様ではないカオナシ(ドロドロの神様の方ではない)の気配をすぐ察知するのが良かった。
千は仕事が全く出来ず、ロープ一つ結べないというのが良かった。
ドロドロの神様でもきちんとした神様のお客様と分かれば、湯婆婆(宮崎駿)が陣頭に立って、湯屋の従業員一同(スタジオジブリのスタッフ全員)で一致協力して力を合わせて、ドロドロ神のトゲを抜くという「おもてなし」をするのが良かった。
湯婆婆が「神様はお客様」第一主義を徹底しているのが良かった。
千がドロドロ神の一件で、湯婆婆に認められ、ご褒美の美味しそうな肉まんも食べて、チョット成長して「大人」になるのが良かった
カオナシも金は払うが「お客様は神様」の神様でもなく、チョット馬鹿にされるとすぐキレて我慢が効かないというのも良かった。
釜爺と会う時に階段を降りたり、傷ついたハクを追って湯婆婆の所に行くのに千が壊れた雨樋を渡る所はアニメならではの動きだった
銭婆の実印を守っていたハクの身体の中にいた「湯婆婆の手下」を千が踏んづけて倒して、釜爺がエンガチョするのがコミカルだった。
千尋が銭婆の所にカオナシまで連れて行く演出が良かった。
6つ目の駅で降りなければならないと言う緊張感がボク的には良かった。
カオナシ・ネズミ(坊)・小鳥を連れる千尋はオズの魔法使いのドロシーみたいだった。
銭婆(ひょっとしてこれは別の作家ではなく、お金を扱うジブリのプロデューサー鈴木敏夫ではないかともボクは思いました)は最初からお見通しで大人な対応。カオナシまで迎え入れる度量というのが良かった。
ネズミの坊や小鳥が編んだ銭婆が千尋にくれた髪留めがなんの意味だったかがボク的には分からなかった。
ハクが竜の時の空飛ぶスピード感が良かった。
坊も千尋との旅で独り立ち出来るようになるのが良かった(息子吾郎が女作って、その女に吾郎を成長させて欲しいという駿の願いか?)。
決まりは湯屋の主人湯婆婆でも勝手には変えられないというのが良かった。
千尋が「よく見て」豚の中に親がいないのを見極めるのが良かった。
最後湯婆婆に「お世話になりました」と千尋が別れの挨拶をするのに千尋の成長の証が集約されていたのが良かった。
全般的に
映画としてはそんなには面白くないが、さすが宮崎駿、メッセージ性や細かなディテールで面白い所は多々あった。
声優では主人公の千尋の声・銭婆と湯婆婆の声・釜爺の声が良かったが、ボク的に一番良かったのはハクの声優入野自由さんの声だった。
2時間を超える長い映画で、こんな回りくどい表現をしなければ、宮崎駿がメッセージを伝えられない宮崎駿の周囲の環境は可哀想だなとボクは思った。説教臭いのも鼻につくし、劇アニメとしてもそれ程面白くない、宮崎駿にとって「言いたい事も言えないこんな世の中じゃ♪ポイズン♪」という感じの作品にボク的には思えた作品。

初めて「千と千尋の神隠し」をきちんと観ましたが、観客が作品に対する色々な深読みが出来て、それらの観客の深読みを許すくらいこの作品が作品的豊かさや様々な要素を持っているから、邦画洋画を問わず日本で歴代一位の映画興行収入を稼ぎ出す事が出来たのではないかとボクは思いました。「やっぱり宮崎駿作品で純粋に娯楽として面白いのは「天空の城ラピュタ」や「ルパン三世 カリオストロの城」「名探偵ホームズ」だと思う」心にそう願うアニメを観る目が鋭い四十路のアニヲタ長七郎であった。宮崎駿もやっぱり歳をとって説教臭くなったり、カッコ悪い歳のとり方をしているとボクは思った。

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