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zoom RSS 読書感想文27

<<   作成日時 : 2008/09/28 22:45   >>

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画像「エコノミストたちの歪んだ水晶玉」(著 野口 旭)
構造改革をして供給側を改善しても、需要不足は改善されず、かえって供給と需要の差が拡大してデフレギャップが大きくなるという話が分りやすかった。
不良債権処理が進んだから景気が回復したわけではなく、金融緩和政策や巨額の円安への為替介入(為替介入と一緒に金融緩和策も行なう為替介入の非不胎化を行なった事)の効果がでた時期と重なっていたから景気回復が起こったという説明が分りやすかった
銀行の不良債権処理を進めても「銀行の不良債権が大きすぎておカネが企業への貸出にまわらない」という状態は改善されず(実質金利が高く企業はキャッシュフローを蓄えている所が多かったので銀行から企業への融資は増えなかった)、不良債権処理や銀行の自己資本比率を守らせる事は、かえって企業への貸し渋りや貸し剥がしをひどくさせる結果になった。故に不良債権による銀行の企業への貸し渋りを解消すれば景気が回復するという説は誤りであったという説明が分りやすかった。
*「実質金利」とは名目金利から期待インフレ率(将来のインフレに対する予想みたいなもの?)を差し引いたもの。
小泉政権が清算主義的な表面とは異なり、清算主義的な改革は不徹底で(りそなやダイエーの救済など)、なし崩し的ではあるがデフレ克服を重視し金融緩和政策を行なったのが景気回復の一因であったという説明がわかりやすかった。
財政赤字悪化は循環的なものと構造的なものがあり、財政再建をするためには、マクロ経済を安定させ適切なインフレ率と実質経済成長率を実現し循環的赤字を改善する第一段階と政府内の財政収支であるプライマリーバランスを改善して構造的赤字を改善する第二段階に分け順番を間違えないようにしなければならない(マクロ経済がデフレなのにマクロ経済を収縮する効果のある第二段階の財政引締めをしてさらにデフレを悪化させてはならない)という説明が分りやすかった
第二段階の構造的赤字の改善はマクロ経済の収縮効果があり適切な金融緩和政策により中立化しなければならないので、デフレが克服されゼロ金利を解除できるほどマクロ経済が安定してから行なうべき(ゼロ金利解除で金利の引き下げという金融緩和策をうつ事ができるようになるから)という説明が分りやすかった。
組織は「責任を最小化して権益を最大化するもの」であり放っておけば無責任な体質になるものなので、外部の監視や規律など外部を導入して無責任を改善できる制度を作らなければいけないという話は共感が持てた
構造改革主義者は「根本を一挙に解決しなければならない」とか「構造の問題なので耐えるしかない」とかいって結局何もせず、できる事から少しずつ問題を改善していこうという「分析的思考に基づく斬新的問題解決の手法」をとらないという批判は、ボクにも構造改革主義者のような傾向があるので気をつけようと思った。
初めはデフレで利害を有する人々がリフレ派の政策を故意に阻止いていると思っていたが、あとになって利害ではなく単なる経済的な無知の方がリフレ政策の推進を阻害する効果が大きかったのではないかと反省していた所は、馬鹿なサヨクにありがちな「陰謀論」を否定していて共感がもてた(ただし初めの頃はデフレが悪化していた時期、あとの頃はデフレが克服されはじめた時期に書かれたもので、デフレが克服されはじめたという事実がなければ余裕を持って冷静に物事を見る事ができない(ついつい陰謀論みたいな事を言いたくなる)ものなのだとも思った)
カール・ポパーの定義する民主主義社会(批判が排除されず、より多くの人々が批判により誤りに気づく機会が生まれ、その誤りが是正される可能性が高まり、社会が人々にとって望ましい方向に改善される社会。ちなみに誤りかどうかは様々な意見や批判が現実の中でその適切さを厳しくテストされる事で判明されていく。)を支持する所も共感がもてた。

全体的に
日銀による金融政策の失敗による総需要の不足がデフレ不況の原因だという事がとても分りやすく説明されている。また2000年から2005年頃までのデフレ不況の深刻化とそこからの回復の過程も分りやすく説明されている。
この本のあとに日銀が行なった量的緩和解除やゼロ金利解除は適切だったか?という事についてこの著者の解説があれば読んでみたいと思った(多分まだまだデフレ克服不十分で、需要不足の解消も不十分(アメリカや中国などの好景気により外需が拡大し、それに対応して民間投資も拡大したが、消費の拡大回復まではいかず、まだまだ需要不足は解消されていなかったとボクは思う)で適切ではなかったのではないかと今のボク的には思う)
またゼロ金利解除後金利が0.5%の状態でも消費者物価指数が上昇している(2008年8月現在。全国消費者物価指数(CPI、2005年=100)は変動の激しい生鮮食品を除くベースで102.6と、前年同月に比べて2.4%上がった)今の日本経済に対する分析やどういう金融政策がとられるべきかについても書かれたものがあれば読んでみたくなった(今のボクは金融政策は引締め気味だがインフレ期待が高まっている為に消費者物価指数が上昇しているのではないかと勝手に思った。ただインフレ期待は高まっているけれどまだまだマイルドなインフレを実現するほどにはなっておらず総需要の不足も改善が不十分(2008年9月現在ではアメリカの景気後退による外需の縮小、それに伴う設備投資の減少が日本国内で起こっているので総需要の不足は2005年頃の景気回復期より大きくなっているのではないかとボクは勝手に推測している)なので、金融政策のスタンスとしてはこのインフレ期待をもう少しあげる金融緩和政策がとられるべきなのではないかとも今のボクは勝手に思っている。あまり総需要の不足の改善とインフレとの関係を理解していないけれど・・・)
とても分りやすく為になる本

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