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zoom RSS 読書感想文 42

<<   作成日時 : 2010/07/16 21:00   >>

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画像「経済は損得で理解しろ!」(著:飯田泰之 http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/
希少性
「個々人が希少なモノをどうすれば効率的に手に入れる事が出来るか?」
「希少なモノをどういう人が手に入れれば、社会全体にとってとって効率的(得)か?」を考える
「一番効率的な状態」を基準に「今はどのような状態か?」を考えたり、「どのようになるのがいいのか?」を判断したりする

インセンティブ
「費用・便益分析」損(費用)得(便益)を比べて、いかに行動すべきかを分析する事

ノーフリーランチ「ただで良い思いはできない」。得なら皆が群がり、得な状態が無くなってしまうまで群がるから(例:裁定機会(リスク無しにモノを右から左に移動させるだけで利益を得られる機会)を求めた15世紀の船乗り達の東方遠征はあっという間(45年)に日本まで行ってしまった)。
トレードオフ「便益が発生するには必ず何らかの費用が発生する事」

機会費用「物事を行う影で犠牲になるモノ・コト・カネ」(損得を考える時必ず考慮に入れる)
サンクコスト「既に支払い済みでその後行動を変えても増減しないコスト」(損得を考える時考慮しないようにする。例:八つ場ダム。今までかかった費用の事は考えないで、これからかかる費用と便益を比較して建設するかを考える。)

交換はいつでもどこでも誰にとってもお得。

比較優位

絶対優位
アメリカ 自動車1台 6人で作る オレンジ1トン 3人で作る
日本   自動車1台 2人で作る オレンジ1トン 2人で作る
この場合日本はアメリカに対して自動車でもオレンジでも絶対優位

比較優位(絶対優位の例を使う)
アメリカ
オレンジ1トンの機会費用 自動車1/2台(オレンジ1トン作るのに3人必要。自動車を作る人から3人オレンジ作りへ移動するとオレンジは1トン増えるが自動車は1/2台しか出来ない)
自動車1台の機会費用 オレンジ2トン(6人の自動車作りがオレンジ作りへ移動すれば2トンのオレンジを作れる)

日本 オレンジ1トンの機会費用 自動車1台
    自動車1台の機会費用 オレンジ1トン
このように機会費用で比較するとオレンジについてはアメリカの方が1/2で機会費用が低く、自動車では日本の方が1で機会費用が低い。

機会費用が低い事を「比較優位」と言う。
日本ではオレンジ1トンで自動車1台作れるので、オレンジ2トン分(アメリカが自動車を作る機会費用)より安い値段で自動車を売ることが出来る。
アメリカでは自動車1台でオレンジ2トン作れるので、自動車1台分(日本のオレンジ1トンを作る機会費用)より安い値段でオレンジ1トンを売る事が出来る。
故にアメリカは日本から自動車を輸入し、日本はアメリカからオレンジを輸入すると、自国でその商品を作るよりも安く購入できてお互い得になる。
*「アメリカは絶対優位にある日本との貿易によって産業が消滅する」とか「日本の方が自動車もオレンジも効率よく作る(絶対優位)ので、アメリカと貿易しても得にならない」というのは嘘。
*保護貿易「自国の生産性の低い商品を、生産性の高い他国から輸入すると、自国産業が消滅すると考えて、高い関税をかけたり、輸入を止めたりする事」
 保護貿易は効率が悪い(損になる)し、自国産業が消滅すると言うのは間違っている。

価値観の違う相手ほど交換相手としてはお得(自分の要らない物(相手の必要品)を高く買ってくれたり、自分の欲しい物(相手の不要品)を安く売ってくれるから)

費用を負担する人と便益を受ける人が一致していないと、個人ではちゃんとした損得勘定ができない。社会全体に便益が発生する事でも損得勘定できずに個々人では誰も行動にうつさないという可能性が出てくる。そういう場合に国が経済政策を行うと良い。

経済学は希少なモノを分析する学問で、人々はインセンティブ(損得勘定)に基づいて行動する。その結果ノーフリーランチというタダで儲ける方法は存在しないという経済環境(トレードオフ環境)になる。
対価を払ってその代わりに何かをもらうのが「交換」。交換は当事者双方に得をもたらす。貿易についても同じ。

競争「競争の結果より安く・より高品質なモノ」が増えれば社会全体にとって幸せ

経済学:社会全体の満足度の合計を最大にする方法を考える(競争はすばらしい)
経営学:企業の利潤を最大にする方法を考える(競争が無い方がいい)
*競争があると得をするのは消費者(一般の人)「競争の結果より安く高品質なモノが増えるから」
 競争があると損をするのは企業。「競争の結果、価格を下げたりして利益が減るから」
需給均衡「需要と供給が釣り合っている点」
競争均衡「競争の結果需要と供給が釣り合った状態がもたらされた点」
消費者余剰「需給均衡点の値段と比較して、思ったよりも安く買えた分の幅の合計」(消費者のお得感)
生産者余剰「需給均衡店の値段と比較して、思ったより高く売れた分の幅の合計」(生産者のお得感)
総余剰「消費者余剰と生産者余剰の合計」
需給均衡の時は、これ以上総余剰が大きくなる事は無い(社会全体にとって一番お得な状態)。
最低賃金制(競争ではなく政府が最低賃金をあげる政策)
既に雇った雇用者の給料が上がるので、企業の生産者余剰は大幅減少。
労働者の消費者余剰は増える。
雇用者の給料は増えるが、企業はリストラや新規採用削減で雇用者数を減らす。非自発的失業者が増える。
故に総余剰は小さくなる。
*最低賃金で働いている人は生活カツカツな人が多い。収入のある旦那がいる主婦は低い給料では無理に働かない。そこで最低賃金制が導入されると、そんな主婦達が働き出し、生活カツカツ者と主婦との職の取り合いになる。そして企業は身元のしっかりした人を雇いがちなので、生活カツカツ者は採用されずらく、貧困救済の為の制度が
 貧困を悪化させる結果になってしまう
最高家賃規制(競争ではなく政府が家賃の上限額を決める政策)
家賃が低くなるので、大家の利益は減少。
家賃が低いので、大家は貸出をしなくなり、貸出数減。
家賃が低くなるので、借主の利益は増加。
しかし貸出数が減るので、家を借りられないホームレスが増える。
*貸出数が減ると、保証人なし、低収入、貯金なし、家賃不払い者などは現在よりさらに家を借りづらくなり、貧困層に安い賃料で家を与える制度が、貧困層のホームレス増加という結果になってしまう。

ベルトラン競争「企業は競争があると価格競争で生産者余剰が消滅するまで価格を下げる」
故に企業はナントカして競争を避けるべき。
企業が競争を避ける3つの方法
政府による規制・コスト優位戦略(安く高品質なモノを作る)・差別化戦略(ユニークさを売る)
この企業が競争を避ける努力は、高品質低価格商品が増えたり(コスト優位戦略))、モノを購入する選択の幅が増えたり(差別化戦略)、消費者にとってもお得。又社会全体の効率性や満足度もあげる。

「自由な経済環境の下で行われる、交換、貿易、そして競争は、結果として社会全体の満足度を上げる効果を持っている」

一国経済の景気の動き「GDP(国内総生産)の増減」
GDP「その年に生まれて、市場で取引された、付加価値(粗利)の合計」
GDPの伸び率「経済成長率」
分配の面でみるとGDPは日本国内全員の所得の合計(国民所得「ホントは設備費用や税金を引く」)」
国民所得の内訳は営業余剰(株主や経営者側)と雇用者所得(労働者側)。
GDPに占める営業余剰の割合を「資本分配率」、雇用所得の割合を「労働分配率」という。
名目GDP「金額そのもの。額面そのもの」
実質GDP「物価変動の影響を考慮したもの」

インフレで不況「実力不足型不況(潜在GDP「技術・労働者などがフル稼働した場合に達成できるGDP」の低下。モノを作る底力自体が落ちている。)
*別名「スタグフレーション」
デフレで不況「ギャップ型不況(実質GDP「実際に達成したGDP」が潜在GDPを下回る。皆がモノを買わないので、生産者も生産を減らす。)
*別名「需要不足型不況」
70年代の欧米の不況は、原油価格高騰と政府規制増大による経済全体の効率の悪化が原因(スタグフレーション)。しかし欧米の政府はギャップ型不況の対策をしたので、益々インフレ・失業が悪化。

国が行うべき政策

1、成長政策「潜在GDP成長率を上げる政策」
公的企業の民営化
規制緩和

*市場の失敗「自由な経済取引に任せておけば大抵は良いけれど、例外的に良いという事が言えない場合」
自然独占「競争・価格競争がなく、不当な価格吊り上げなどが起こる」
外部性 悪い外部性の例:公害。対策「公害を出す元になる行動に税をかける。その行動を規制により制限するなど」
    良い外部性の例:教育。対策「補助金の支給。費用の優遇措置(例:義務教育の無償化)などで促進」
    公共財の例:道路・裁判所・警察・消防など
情報の非対称性 例:国民健康保険制度。市場に任せていると、健康な人は入ろうとせず、不健康な人は保険料が高い。故に国が介入して国民全員に加入を促す。*情報の非対称性はちょっと説明が分らなかった。

2、安定化政策「潜在GDP(実力)と実際のGDPをマッチさせる政策」
デフレで景気が悪い時の弊害
長期的視野の投資ができない
生産性は高いのに金融面での体力が無い企業(主にベンチャー企業)が潰れやすい
倒産により、その会社でしか活用できない関係特殊的人的資本が失われる
故に潜在GDPも下がってしまう

財政政策
財政支出拡大「公共事業を行う」
給付金・減税
しかし現在は国の財政が破綻に瀕しているのでいつ増税されるか分らないという不安から、財政政策をとっても消費は上向かなくなっている(財政政策の効き目が薄い)。

金融政策「日銀が社会全体に出回るマネーの量を調整し、皆の給料を増減させ、実質GDPの増減をコントロールする政策」
デフレの場合、実際の貨幣量増大と将来も貨幣量増大で貨幣の価値が下がるインフレ期待を作り出す政策を行う
円高・円安
円高:デフレで一円の価値は上昇するので円高傾向

景気の良し悪し(実質GDPの上げ下げ)は実力(潜在GDP)以上か以下かで決まる。
政府が言う「景気拡大」は実質GDPが上昇しているだけの事を指していて、いざなぎ越えの景気拡大の時も好景気(潜在GDP以上に実質GDPがなった時)の期間は一瞬だった。故に消費者がモノが欲しくて足りなくなったり、人手不足の状態になるような感じの景気回復ではなかった。
*小泉政権では規制緩和や郵政民営化など成長政策がとられたが、潜在GDPを上げてもすぐに消費や投資は増えず、潜在GDPと実質GDPのギャップは埋まらず不況が続く事になった(かえってギャップが広がる政策)。潜在GDPを上げる成長政策ではなく、潜在GDPと実質GDPを埋める適切な安定化政策がとられるべきだったのに、財政政策や金融政策が適切に行われなかったのが、現在の日本の不況の長期化の原因

3、再分配政策「税金を集めて金に困っている人を保護する政策」

政府のやるべき仕事「長期的な成長の為の政策を行い、財政金融政策で景気を安定化させ、それにより成長をサポートする。その結果生じる格差や不平等が固定化しないようにメンテナンスをする」

個人はどう生活すれば良いか?

財務レバレッジ「元手が少なくても借金してそれを使う事で、元手を大きくして利益を増やす(得も損も大きくなる)」

借金して土地を買う費用と便益
費用「利子・値上がり予想はずれリスク(リスクプレミアム)」
便益「賃貸料・土地の予想値上がり益」

土地の資産価格計算「賃貸収入を、利子率とリスクプレミアムを足してそこから予想値上がり率を引いたもので割る」
*地価=賃貸収入÷(利子率+リスクプレミアム−予想値上がり率
*資産価格は金利の上げ下げで大きく変動する

資産運用「運用先を分散させ、一つに集中した場合のようにその一つが失敗した場合の大惨事を防ぐ」
名目固定資産「現金・預貯金・国債など」
長所:名目利回りが確定している(貯金の金利など)。デフレに強い
短所:インフレに弱い(額面どおりには増えるが、物価が上がると買えるモノは少なくなってしまう)
土地と株
長所:インフレに強い
短所:デフレに弱い
インフレの時は土地・株を多め、名目固定資産を少なめに買い、デフレの時は土地・株を少なめ、名目固定資産を多めに買うと良い。

*自分の資産・負債(お金に換算できるものだけでなく、人間関係なども含める)を書き出していく。現状の自分の存在価値を分析。自分の資産価値を高めたり(差別化戦略で自分特有の能力を磨いたりする)、資産運用を分散させたり(色々な能力を高め、一つがダメでも他でカバーできるようにする) して自分の存在価値を高めていく。

日本の経済状況
日本は不景気の後のサブプライムローン問題だったので、世界の中でも景気は最悪に悪化した。
リスクを分散する為色々な返済債権を組み込んだ証券(CDO)を作り出す。さらにCDOの返済が滞った場合の保険(CDS)もでき、その保険(CDS)の保険もできる。
こうして世界中に広がった金融商品がサブプライムローンの焦げ付きにより一気に焦げ付いて、全世界の経済に大打撃を与えた。

デフレ不況
賃金に関するデフレの影響
デフレにより実質賃金(物価を考慮した賃金)上昇。企業は費用を抑える為にリストラ・新規採用抑制・非正規雇用の導入。非自発的失業者の増加
金利に関するデフレの影響
デフレにより実質金利(物価を考慮した金利)はとても高い。金利が高いので設備投資減る。設備を納入する企業の売上・従業員給与減る。従業員消費控える。実質GDP低下。ギャップ型不況が更に深刻に。
資産価格に関するデフレの影響
デフレで資産価格が低下しても借金の額は変わらない。だから自己資本の大幅な減額が起こる。自己資本の額が少ない会社には銀行は融資しなくなりがち。会社倒産。

デフレ下での個人の取るべき行動
1、節約してデフレに強い現金・預金を溜め込む
2、就職・転職・起業をできるだけ避ける
*個々人が1・2のようにデフレに最適な行動をとると、経済全体としては益々停滞してしまう(「合成の誤謬」)

格差問題
正規雇用者と非正規雇用者・失業者との格差が開いている。(「非正規・失業者は仕事を通じた経験・技術のアップ(OJT)ができず、労働者としての価値や給料が低いままになるから」)

財政危機
財政破綻の条件「名目経済成長率より国債の名目利子率が高い場合(税収より借金が増えていく金額の方が多くなるから)」
現在の日本 10年ものの国債の名目利子率1.5%。経済成長率ゼロ成長やマイナス成長も年によってはある。故に財政破綻の条件を満たしている
*税金の無駄遣い停止・増税の前に、名目GDP成長率を増加させないと、財政破綻を回避できない(名目GDP成長率の増加が最優先課題)。

しっかり給料をもらえ、将来不安が無く、安心して消費ができる社会(緩やかなインフレの状態)

日銀の金融政策
ゼロ金利にした後もやる事はある。
将来もゼロ金利が続く事を日銀がコミットメントして、銀行の将来不安を減らし、一般企業への貸出を後押しする
量的緩和「日銀当座預金残高を増やして、銀行の準備金に余裕を与える」(準備金不足で他の銀行から準備金を借りなくて済みコールレートを低く保てる。準備金を気にせず企業への貸出ができる。)
*日銀は3回もデフレ下で金融引締め政策を行ったので、、銀行からコミットメントを信用してもらえない可能性が高い。
政府と日銀のアコード(政策協定)で、政府も日銀のコミットメントを守らせるようにする。
インフレターゲット(2〜4%程度のインフレを目標)を法律で制定する。

少子化問題
人口全体の減少の程度は毎年0・5%。15歳〜65歳の人口も減少してはいるが、主婦や高齢者が働きやすい社会参加しやすい環境を作る事でカバーできる。

潜在GDP低下の問題(実力低下の問題)→成長政策で潜在GDP成長率をあげる
潜在GDPと実質GDPのギャップ問題(デフレ不況)→金融政策と財政政策(主に金融政策。現在の日本では財政政策の効果が効きにくくなっているから)でギャップを埋める(特に2%のインフレ・人手不足になるまで金融緩和政策を継続する事が重要)。
格差問題→税金と補助金(再分配政策)で格差を埋める。

全般的に
とても簡単で短い説明が多く、分りやすかった。ベア君・ブル君のリアクションも面白かった。とても役に立つ本だと思った。

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